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    「恋愛病棟―シェーマの告白―」読了しました

    谷崎トルク先生のデビュー作、「恋愛病棟―シェーマの告白―」を読了しました。


    谷崎先生、デビューおめでとうございました。



    以下畳んで感想。




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    エブリスタで改題前の物を読んだときも、一気に読んで号泣した記憶があるのですが、本になっても読むのに勇気がいるというか、時間のあるとき、誰もいない部屋で一気に読みたい本ですね。軽い読書には向かないです。もれなく泣いてしまうので。


    主役カップルもいいんですけれど、父親世代のプラトニック悲恋がとてもぐっと来ます。事件が起きず(もっと言えば、起きても白い巨塔的な陰謀に陥れられず)にそのまま二人がパートナーとして手術に臨み続けていたら、いつか頂にいけるんじゃないかなあ、と思って、そうならなかったことが切なく感じられます。


    特に好きなのは、父が朱鷺田にあてた手紙ですね。私、書くのも好きだけど、読むのも独白シーンがとてもとても好きです。読みながら、春馬と一緒にボロボロ泣きました。


    全然関係ないんですけれど、トルクさんのお話を最初に拝読したのは、ポケットBLノベルクラブの『先生のまだ壊れていないところ』という作品です。この作品を読んだときに、「これは賞を取るだろな」と思ったし、自分の書きたい雰囲気のものとよく似通っていて、(「先生~」もそうだし、「恋愛病棟~」もそうです)ちょっぴり悔しいな、と思ったのも覚えています。



    閑話休題。重くて苦しいBLを読みたい気分のときにとてもオススメです。


    個人的には、副題の「シェーマの告白」の方をメインタイトルに据えた方がよかったんじゃないのかなぁ、と思います(タイトルセンスのない奴の戯言なので、話半分でどうぞ)。


    医療従事者ではなく、医者モノ書いたことのない不勉強な私は、エブリスタで改題前の「シェーマの輪郭」をぱっと見たときに「シェーマとはなんぞや?」と首を捻りましたが、その謎が解けたときに、胸をつかれたのです。確かに「恋愛病棟」は「医者モノだな!」とわかりやすくていいのですが、このはっとする気持ちは、「シェーマの告白」というタイトルにこそ、込められるのではないか、と。


    何はともあれ、年末年始の読書にオススメです。



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