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    「High Life」4/28千秋楽@あうるすぽっと

    細田善彦さんが出演する舞台「High Life」を観劇しました。

    あうるすぽっとって名前は聞いたことがあったし池袋にあるってことは知っていたのだけれど、今回初めて行きました。よかった、迷わなくて。初めての劇場、迷子になる率が高い方向音痴なので……。



    長くなりそうな気配を察知したので畳む。



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    登場人物はたったの四人。そして全員が薬物中毒者、いわゆるジャンキー。

    保護観察中で他の三人を金儲けに誘うディック(古河耕史)、出所したばかりで血の気の多い強面バグ(伊藤祐輝)、気弱で薬物のせいで腎臓一個取っちゃったドニー(ROLLY)、唯一刑務所に入った経験がなく、へらへらしているビリー(細田善彦)。

    この四人が、ディックの作戦により銀行ATMを襲うために手を組むんですけれど、ま~、絶対成功するわけがない。薬だけがお互いのよりどころで、信頼関係なんて微塵もないんだから、いいことも悪いことも、成功しない。



    ぶっちゃけどの登場人物にも同情できないし、感情移入できないし、カタルシスも何もない結末だな、と思ったのですが、それでも「クソみたいな舞台だった!」とは決してならないのは、この舞台が、演者の熱量を感じる舞台だったからなのかな、と思います。少なくとも私にとっては。



    奥行のある舞台に、ジャンクのセットが置かれていますが、セット裏まで演者は飛び跳ねていきます。背景はスクリーンになっていて、彼らがドラッグを打ってトリップしているときに極彩色の映像が映し出されます。それから、ナマのBGMも。(出だしからドラムの音にビビったのは内緒だよ!)


    ドラッグを使用してイッちゃってるときの彼らの演技がコミカルでありながらも、どこか恐怖を抱くようなものでした。白目剥いたり、狂ったように笑ったり。私はドラッグなんて今までもこれからも使用する予定はありませんし、友人知人にも薬物依存の人間はいないのですが、「この人たち本当に、この場でなんかやべえドラッグ使ってんじゃないの?」という「リアル」さを感じて、それが恐怖に繋がります。


    感情の振れ幅がすごいというか、基本的に全員が高揚しているのでテンションが高いです。正気と狂気のギリギリのラインなんだろうな。見ているこちらがハラハラしました。


    普段の舞台の見方が、「このキャラにはこういう背景があってなるほどなるほど、そしたらこういう思考にもなるよね」と、役の生い立ちだったり思想だったり、戯曲が終わった後の彼らの人生なんていうものに注目する楽しみ方をするタイプなのですが、この舞台ではそれができない。


    機嫌よかったと思ったらいきなり怒鳴りだしたり。特に彦さん演じるビリーは、「お前はいったい何がしたいん?」というくらい、意味不明な行動多かった。


    いきなりドニーを口説き始めたときはどうしようかと思ったwエロい手つきでROLLYさんの身体触るもんだから、「どどど、どうした!?!?!?」ってなるし、バグのこと気に入らないのはわかるんだけど、作戦決行中の車の中で突如ナイフ取り出してって、行動に一貫性がないというか。刑務所に入ったことがないとはいうけれど、一番やべーのこいつじゃないのか? と。まぁこの辺の意味不明な思考回路は、全部「ドラッグのせい」で納得することにしました。



    ディック、バグ、ドニーは以前からの顔見知りで一緒に悪事に手を染めていたこともあるけれど、ビリーだけ新参という異質さも、ビリーの行動に影響していたのかな? なんて思います。


    バグが最後に言ってたけれど、「あいつ(ビリー)わざと俺につっかかってきて、死にたがってるみたいに。俺に殺されたがってるみたいだ」っていうのがしっくり来た。でもそれに対しての、ディックの「死にたがっている奴なんていねえ」っていうのにもハッとさせられた。



    ディックの台詞と言えば、個人的に好きなのはビリー(看護婦をナンパしてヒモになり、モルヒネの横流しをしてもらっている)に対して、「男相手にも」って言った後に、「お前はゲイじゃない。だからといって、ストレートでもない。ジャンキーだ」という台詞。ジャンキー。この一言で、ビリーや他の登場人物たちの説明は、全部できるんだな。



    ※※※


    タイトルの「High Life」は、「この現状から抜け出して、もっと高い次元で生きたい」という彼らの願いも込められているんだろうけれど、その裏には「クスリでラリって、ハイなまま堕落した人生」っていうのが隠されている気がする。


    バグは激昂して、ビリーを殺してしまう。その罪を、疲弊して眠るドニーに全部着せて、ディックとバグはまた、元の生活に戻る。そしてディックが新たな金儲けの算段を思いついて……っていうラストシーンで、彼らは死ぬまで、同じことを繰り返すんだな、と思いました。


    ※※※


    面白かった、最高だった、という感想とはまた違う印象の作品でした。とにかく役者の熱量に圧倒されて、何も考えられない。この舞台が観客にとっては、一種のドラッグみたいなものなのかもしれないなあ、と感じました。


    ※※※



    ……え? 原稿? やってますよ!!! あと2シーン書いたら終わる! 89枚だよ! 95枚くらいで終わりそう。そっから地獄の手直しに入るよ。月曜には着手したいです。ギリギリすぎ。
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