松本享恭くんが、デビュー作「ウルトラマンX」で共演した細田善彦さんと再共演し、主演を務めた映画「闇金ぐれんたい」を見てきました。
20日から渋谷ユーロスペースで、今日が最終日だったんですけれども(本当は24日のうきょたんが監督とアフタートークする日に行く予定だったのに、身内のインフルエンザ騒ぎのせいで泣く泣く諦めた)、これから地方公開もあるそうなので、ぜひとも、ぜひとも見に行っていただきたい作品です。
開始五分で、「こ、これは……とんでもないブロマンス映画やんけ……!」ともだえてしまったので、ぜひともぜひとも、見目よき青年たちがきゃっきゃしてるのを見届けていただけたらと思います。
本日のアフタートークでの一幕↓
監督「(客席から登場)改めて見て思ったんだけど、この映画ってホモ映画だったね」
川瀬さん「もっときれいな言い方あるでしょ。ボーイズラブ」
私(ブロマンス! ブロマンスっていうんだよこういうの!!!)
川瀬さん「やりすぎよくない。女子は勝手に自分たちで補うのが好きなんだから、このくらいがちょうどいいの。コミケ行って勉強したら?」って、どうしてそんなに我々のことがわかるんだ……。
とにかく、めっちゃにやにやできて、でもそれだけじゃない最高の映画でした。享恭くんがまた素敵なお仕事できてよかったし、私も素敵な作品に出会えてよかったです。
また数年後に共演してほしい二人。あ~~将来的には私の原作で映画とか舞台とか! って夢を語るだけならタダ!!
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登場人物にはクズしかいません。正次はしょっぱなからおにぎりくれた大輔の財布スるし、大輔は正次と一緒に闇金で取り立てに行くのに昼間っから飲むようなアル中だし、大輔の恋人の舞香はギャンブルで借金しまくってるうえに大輔とだけじゃなくて正次とも寝るし、客の女(名前知らんな…そういえば)は病気などの事情で動けない人からぬいぐるみを預かって旅をするというビジネスをしているかと思えば、実は写真は合成で…みたいな詐欺行為をしている。
……書いてみて思ったけど、本当にクズばっかりやな!!!
でもそういうクズばっかりだからこそ、きっとこの小さな世界の中にこういう人たち生きてるんだろうな、と感じられました。私たちの知らないところで確実に息をしているような、そんなちっぽけな人たち。
でまぁ、正次と大輔がいちゃいちゃいちゃいちゃしてるんですよ。ずっと二人でじゃれてんの。犬か!!!! なんだこいつら!!!! 可愛いなもう!!!!! 周知のとおり(?)うきょたんと彦さんは、とってもお顔が似ているので、大型犬の兄弟に見えます。にやにやしながら見ておりました。
ブロマンス要素の極みが二か所。酔っぱらって熟睡中の大輔のすぐ傍で舞香とセックスに至る正次のセリフ。
(あたしのことが嫌い? という舞香に対して)
「あんたのことが嫌いなんじゃない。あんたと一緒にいるときの、大ちゃんが嫌いなんだ」
っていうのと、大輔が実はそんな二人の関係を知っていたんだよ、と正次に告げるシーン。
「俺の女取りやがって、じゃなくて、俺のダチを取りやがってー」
っていう。これぞブロマンス……なんだこれ……ありがとう……っていうか、自分の書いた物をやってもらいたいのに、これに勝るブロマンスなセリフが思い浮かばないから、私はこの二人のバディをこれ以上最高の形で表現できない……悲しみ……。
あれこれあって、大輔が死にます(唐突!)。本当は寿司屋になりたかったって言いながら死んだ大輔の骨壺を持って(トレードマークだった赤いニット帽を被せて)、彼の故郷である陸前高田市に向かう正次。
正次自身も福島出身であり、二人は被災者であるわけで。この映画は復興に対するあれこれを考える映画でもあったのかな、と。揺られるバスの車窓は、工事の風景が続いているのが印象的でした。とてもリアル。
そして正次は、大輔の実家である寿司屋は津波で流されてしまい、彼の両親も行方不明になっていることを知る。
この後の、海に遺灰を投げる正次のシーンが最高でした。大輔が刺された直後の独白では泣かなかったんですけれど、正次が遺灰を投げて、最後には彼の遺品である刺身包丁を「さよなら」って言って投げ込むところでボロボロ泣きました。全身で正次という人物を生きていて、私はますます享恭くんの演技が好きになりました。
詐欺師紛いの女は改心するのかな、とか、ヤクザの舎弟にならなかった正次はどうやって生きていくんだろう、とか、いろいろあるんだけれど、結局彼らは脆くもしたたかに、クズらしく生きていくんだと思います。そういう映画です。最高。
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