文庫デビューされた方の作品は、勉強とモチベーションアップのために購入して、読んでおります。感想文とかあんまり書いてこなかったんですけれども、備忘のために書いておこうと思います。


川崎かなれ先生デビュー作、「ヴィジュアル★プレス～えっちな下着を穿くだけの簡単なお仕事ですっ～」（シャレード文庫）読了いたしました。


川崎先生、デビューおめでとうございました。


ネタバレ感想たたんでおきます。

サブタイトルの長さやビビッドなグリーンにおっきな星柄のパンツというインパクトのある表紙、そして帯のフレーズから、「ラブコメかな？」と思って読み始めたのですが、意外や意外、うるっと来てしまいました。（これは単純に、私の涙腺が人よりもぶっ壊れているだけかもしれない）


受けの成人が、とにかくいい子です。
中卒で格闘技の世界に飛び込んで、網膜剥離で引退を余儀なくされ、ばあちゃんとの暮らしを守るために就職活動をしてもなかなかうまくいかない……。
選手時代のスポンサーの豊坂社長に拾われて、「ラッキー」で終わらずに、きちんと与えられた仕事を全うしたうえで、会社のために力になりたいと頑張るところに好感がもてました。
ばあちゃんと話すときに出る訛りが、可愛いアクセントになっています。
あと、この子ずっと銀髪なんですけれど、その理由がいじらしくて泣ける。
キックボクサーとしてのキャラ付けかな？　なんて表紙だけ見てると思うんですけど、読み進めるうちに、「この子が何の考えもなしに、銀髪になんてするかなあ」と思っていたら、案の定ですよ！
ほんといい子だから、豊坂社長に愛されて、仲間からも祝福してもらえて本当に幸せになってくれてよかったと思いました。


そんな成人ですが、その生い立ちから「俺、馬鹿だし」「どうせ俺なんか」と自分を卑下する悪癖があります。社長は彼を、甘やかすでもなく、きっちりとその点を指摘するところもよかった。素敵な大人だな、と。メンズ下着への愛と成人への愛を語彙力たっぷりに垂れ流している辺り、スーパー攻め様！　な感じなんですけれど、実は恋人なんていたことないと告白するシーンで、「あああ、なんてピュアなカップルなんだああああ」とじたばたしました。社長も可愛いなぁ。


ここまで感想書いてて、やっぱりBLって、キャラクターの魅力ありきのジャンルだと確信しました。成人の一生懸命さが伝わってくるストーリー展開に無理がなかった。いや、まともな会社に勤めたことがないので目標値の無茶さとかそれに対する解決方法が妥当なのかとか、わからんのですが、いいんですそんなところは嘘でも。


作者さんは豊坂社長と同じくらい、パンツが好きなんでしょうか。私の知らない世界が広がっていました。



作者さんのHPにある短編も拝読しましたが、いちゃいちゃラブラブでした。みんなが幸せになれるBLっていいですね。




※ところで私のイチオシは美人社員の三橋さんなんですが、彼攻めらしいんですけど、攻めのままでもいいし、大型わんこ感満載の東くんにほだされ押し倒され逆になるのもいいな、と妄想しました。どっちがどっちでもいいです。
※すぐに脇役に目がいく癖をどうにかした方がいい