2015年9月の「もののふ白き虎」から始まり、2016年9月に「瞑るおおかみ黒き鴨」と続いたもののふシリーズ。その最終章である、「駆けはやぶさひと大和」を観劇してきました。
「もふ虎」が若く瑞々しい白虎隊、「つむ鴨」が彼らを見守る会津の大人たちと薩長の男たち。今回の「かけ隼」は満を持しての、新撰組の話です。
元々「もふ虎」に享恭くんが出演するということで、慌ててチケットを探して一度見てすっかりはまってしまったシリーズです。結局「もふ虎」は遠征含めて5回、「つむ鴨」も無理矢理2回観劇して、今回「かけ隼」は今日の1回しか行けないのが残念でなりません。
いや、流れるように銀河劇場行った瞬間に、DVDの予約とCDの予約を済ませましたけれど。でもそれとこれとは別なんだ……観劇はやはり、生に限る。
銀河劇場といえば、のオリジナルドリンクも堪能し(まほろばブルーの方にしました。柚子とグレープフルーツ。ノンアルコールで)、今日の座席はセンターブロックのどどどどどセンターだったので、早めに着席してパンフレットを読む。
開演して秒で泣いたんですけれど、むしろこの時点で涙が出ました。享恭くんのコメントに、ぶわっと来ましたね……自分の気持ちを素直な言葉にしているのが、たまらない……いつかまた、享恭くんの和助に会いたいな、と思います。三年でいろいろ経験した今なら、どんな和助として生きていくんだろう、と。
東京は2/18まで。大阪はその後、2/23~2/25です。当日券も若干枚、抽選で販売しています。
本編感想は畳みます。
主演の中島登役がDa-iCEというグループの花村想太くんという子で、今回初めて「もののふ」シリーズを見るという人も多かったんじゃないかなぁ、と思います。前回、「つむ鴨」のときも思いましたが、この「かけ隼」から見た人が、「もふ虎」や「つむ鴨」をDVDで見たとき、どういう風に感じるんだろうか。
例えば、「憧れの背中」(「もふ虎」のメインテーマ)が流れる中で、一人紙に向かう中島の元に、斎藤一(青木玄徳)がやってくる冒頭。「よぉ」と顔を出した斎藤に、頭を下げる中島が、「酒の飲み方を教えてもらおうと思いまして」と言った瞬間、「もふ虎」の冒頭、飯沼貞吉(安西慎太郎)が斎藤一と再会するシーンが脳裏をよぎって、その時点で涙が出る。
要所要所で前のシリーズのことを思い出して、目の前の舞台と重なっていく。そんなところも、もののふシリーズの魅力。ぜひとも「もふ虎」「つむ鴨」も見てもらいたいですね。
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西田大輔演出、泣きのツボは合うんだけど、笑いのツボが合わないと感じることが多くて、「つむ鴨」ではそれが顕著だったけれど、「かけ隼」はそんなに気にならなかった。中島のキャラクターによるものかも。「もふ虎」の語り部である貞吉は真面目だし、「つむ鴨」は語り部というか、主人公の斎藤は人を食ったような性格だし。中島は、ヘタレな現代っ子って感じかな。
勘違いで突っ走って、人を斬る覚悟も何もなく、いざとなったら逃げてやろうと思っていた彼が、監察方として隠密行動を続けるうちに、新撰組の人々の人となりを知り、時代のままならなさを知り、「誠」を背負う隊士として生きることになる成長譚だったので、「もふ虎」の白虎隊がわちゃわちゃしているのと同じように、自然に笑えるネタだったなあ、と。
カーテンコールからはけていく花村くんの羽織の「誠」の文字を見て、最初は頼りなかった中島もまた、白き虎たちが憧れ、目指した狼の一員なのだと感じて、最後の最後まで泣きました。
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今まで名前は何度も出ていたけれど、新撰組局長・近藤勇(的場浩司)が本当に格好いい男で……堂々とただ一人、白い羽織を羽織った姿はぱっと目を引くし、この人じゃなきゃ、あの土方歳三(荒木宏文)や沖田総司(山本涼介)はついてこないだろうと思った。
だから、そんな彼が傷つき、新政府軍に縄で繋がれて引っ立てられているシーンは衝撃だった。たぶん、土方もそうだと思う。乾(板垣)退助の粋な計らいで、最後に二人が言葉を交わし、笑いあうシーンを今回見ることで、「つむ鴨」のときは冷淡だと感じた「近藤さんが処刑された」「新撰組なんて、どうでもいいと思うぞ」という土方の言葉が、どれほどの感情を押し殺したものだったのか、ということを知ることができた。
三作すべてに出てくる斎藤一と土方歳三。斎藤はなんとなくイメージは違わないんだけれど、土方さんは三作とも違うというか、「かけ隼」でようやく、荒々しい、ただの人間である土方歳三を見ることができたのかなあ、と。どうしても「もふ虎」では、虎ちゃんたち最大の憧れの存在だったから。
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近藤局長の最期の言葉、「駆け続けろ」っていうのが、胸にずっしりと来ます。私も駆けて駆けて駆けて、生き続けていこうという勇気をもらいました。
明日からまた、頑張ろうと思います。
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